昨年のクリスマス・イブ(08年12月24日)の昼過ぎ、デリヘルで働くA子(24)は、いつものように客の家に向かった。勤務先がある栃木県那須塩原市から指示された矢板市までは、車で20分ほどの距離。こんな時間帯のシゴトも珍しいことではない。それに、夜中よりも周囲の明るい昼間の方が事件に巻き込まれる恐怖感も少なくて、精神衛生上いいのだ。
部屋でA子を待っていたのは中年男。「オレ、SMが趣味なんだ」と言う男に懇願されA子は、目隠しをされ手足を縛られた。こんな客も少なくはない。「いくら変態でも、自分の家でおかしなことはしないはずよね」。A子は自分にそう言い聞かせ、男のなすがままにされたのだった。ところが、コトが終わると男は、全裸のA子をそのままにして外出しようとする。
「ちょっと、どういうことよ。どこに行くのよ!?」。縛られたままわめくA子。しかし男は、なんとA子の財布と、あろうことか追って来れないようにA子が着てきた衣服まで持って、そのまま逃げ出してしまった。縛られていたのをなんとか自力でほどき、110番通報するA子。駆けつけた警察に保護されたのだが、後で知らされたのは、その部屋があの男の住まいではなかったということだ。
年が明けてこのほど窃盗容疑で逮捕されたのは、県内に住む無職、B容疑者(36)。被害者のA子による面通しで、財布などを持ち逃げした「あの男」本人であると確認された。現場となった部屋にB容疑者はイブの早朝、空き巣に入り、部屋にあった商品券など(計約5万1000円相当)を盗んだだけでなく、デリヘルに電話をして客を装いA子を呼び出したのだった。

警察の発表によると、B容疑者が盗んだA子の財布には、現金4万円などが入っていたという。デリヘル事情に詳しいエロミルなアナタは「あれ?」と思うはず。事件に巻き込まれた際のために、デリヘル嬢は、お釣り用など必要最小限の現金しか持たない。B容疑者は、「前払いです」とA子に言われて支払った料金を、そのまま奪い返したということであろう。
かつてプロの空き巣狙いは、盗みに入った家で一仕事終えると、室内に脱糞(だっぷん)してから現場を後にしたという。「ウン」をつけることで捕まらないおまじないだとか平常心でいられるようにするためとか、警察に対する挑戦状のようなものだとか理由はさまざま。盗みに入った家でデリヘル嬢を呼んだこのB容疑者、プロ中のプロだったのかもしれない。結局捕まったけど…。















