東京女子医科大学は、東京・新宿区にある国内唯一の、女医さんだけを養成する「女子医大」だ。まさにセレブな女の園。しかし、教授などはまだまだ男社会だし、付属の東京女子医大病院には、男性医師など「男子」スタッフも大勢働いている。そのうちの1人、いや正確にはそのうちの1人だった心臓血管外科のA医師(35)が、今日の主役だ。
事件が起こったのは、昨年12月のある未明のことだった。病院1階にある、夜間は女性スタッフ用仮眠室として使っている会議室では、20代の女性看護師B子さんが、1人で仮眠を取っていた。B子さんはこの晩、当直勤務だったのだ。1日の疲れを短時間でも癒そうとするB子さん。ところがうつらうつらしているB子さんは、突然、おしりに異常を感じた。
「何っ?」。飛び起きるB子さん。男子禁制のはずの仮眠室なのに男が! 不審者だ。しかも、手には注射器のようなものを持っている。「ギャーッ」。ところが、あろうことか不審者は、抵抗するB子さんの顔をいきなり殴りつけ逃走を図ったのだ。騒ぎを聞きつけて駆けつけた病院スタッフが取り押さえた不審者は、なんと同僚のA医師だった。

A医師は、何やら薬剤を注射器に入れ、寝ていたB子さんのおしりに突き挿そうとしたのだ。中身は睡眠薬と見られる。どうやらA医師は、B子さんを意識もうろうとさせ、乱暴しようとしたらしい。おしりに睡眠薬を注射した後で、自らのぶっといモノをブチューっと「お注射」しようと思ったのか。それにしても、周囲には女医や女子学生がいっぱいいるというのに、立場の弱い看護師を狙ったところに医師のエゴを感じさせる。
強姦(ごうかん)致傷の疑いで逮捕されたA医師。相手にけがをさせていることから、強姦の容疑に「致傷」がつく。「致傷」が付けば、実際にはヤッてなくても強姦は「未遂」でなく、「既遂」として扱われる。強姦致傷は刑法では、「無期または3年以上の懲役」の重罪だ。取り調べに対しA医師は、「自分も仮眠を取ろうとして会議室に入った。よく覚えていない」と容疑を否認しているという。
大学側はすぐにA医師を懲戒解雇。しかし、それだけで医師免許がはく奪されることはない。有罪確定すれば厚生労働省の医道審議会で行政処分が決定するが、たいていは数ヵ月から数年の「医業停止」、つまり免停みたいなものだ。殺人事件でも起こさなければ、免許取り消しにはめったにならない。喪が明ければまたどこかで白衣を着て、今度は女性患者を注射器で襲うかもしれない。お医者さんは気楽な商売なのだ。














